2年生の道徳は「おむかえ」です。この資料は東日本大震災で被災した福島県での地震が起きた日を舞台としたお話しです。
大きな地震があった日,運動場に避難した後,お迎えをまつため体育館に移動しました。みんながぞくぞくおむかえで帰っていくなか,わたしのおむかえはまだきません。もうすぐ夜になる時間です。わたしは不安とともに「お母さん,何をしているのなかー」と思うのでした。
そんなとき,お姉ちゃんが私の名前を呼びました。お姉ちゃんがむかえにてくれました。わたしはつい「おそいよ,なにしていたの?」と言ってしまうのでした。
家について,家族がそろい,今日のことを話します。そこで,わたしは,お姉ちゃんは電車が不通になったので歩いて3時間もかけて帰宅したこと,帰宅後,妹が家にいないことがわかり,走って小学校までみにいったこと,兄も家のまわりや通学路へわたしをさがしに走り回っていたことを知ります。さいごに「ぶじでよかった」というお姉ちゃんの言葉にはっとするのでした。
もし,地震がおきたら,まずどうするのか,どこに避難するのか,津波襲来のサイレンがなったときどこへいくのかなどを確認しながら,家族について考える2年生でした。
あれから,11年。当時,わたしは中学校に勤務しており,部活動をやっているときでした。中学生と柔道の乱取り稽古をしているとき,突然めまいがおきたかのように自分の視線が揺れ始めました。「おれ,やっちまったのかな?」と思いました。中学生も不思議な顔で天井を見ていました。「地震か?」「だと思います」。みんなで道場の中心にあつまりました。しばらくすると揺れもおさまり部活動を終えました。その後,東北地方では津波が発生,さらに原子力発電所事故が発生し,東北地方全域で甚大な被害が起きました。
大半の小学生は当時の災害を体験しておりません。東日本大震災について,ぜひお家の方からお話しをしてあげてください。そして,災害に備え,一次避難,二次避難の場所や携帯物品などを,ご家族で今一度ご確認をお願いします。