3年生の道徳は「ヒキガエルとロバ」です。
雨上がり。の畑道。
アドルフとピエールたちが,ヒキガエルを見つけます。そして,「石をぶつけてやれ~」といいながら,石をぶつけて遊んでいました。石にあたりながら,どろんこ道の車のくぼみへ転がり,ほっとするヒキガエル。ヒキガエルは動くことができません。すると,そこに年老いたロバが大きな荷物を引きながらやってきました。そのまま進むとくぼみにいるヒキガエルをひいてしまいます。それをおもしろがって見つめるアドルフたち。
1歩1歩近付いてきたロバはふとヒキガエルに気付き,歯を食いしばって荷車の向きを変えて,ヒキガエルを助けたのです。それを見ていたアドロフの手から,石がすべり落ちます。ピエールも何も言わずたっていました。
アドルフ(以下,ピエールも含む)は,ヒキガエルに石を投げていやがらせをしていました。対して,ロバは疲れているにも関わらず,力をふりしぼってカエルをよけて助けました。そこで,章恵Tは,この2人(1人と1匹)の行動や考え方を『比較』できるような板書していきます。
お友達「ロバはやさしいけど,アドルフはひどいです」「アドルフは命の大切さをわかってない,ロバはそれがわかっているます」「ロバは心が広いけど,アドルフたちは心がせまい」などなど。なるほど,確かに両者の行動や考え方は正反対だね。
章恵T「アドルフは,命を大切に思っていないのでしょうか?」
お友達「・・・う~ん,だったら友達にも石をなげてるだろうし・・・」
お友達「そうだね,人間の命は大切にするけど,動物の命まではきにしていなかったかも・・・」
お友達「・・・,最後に石を落としたとあるから,きっと後悔(こうかい)したんじゃないかな」
このやりとりがポイントです。
後悔(こうかい)するということは,自分の行いをふり返ることができるということなんです。短い時間,出来事の中で,他人,今回はロバですが,ロバの行いを見て,感じて,自分の行いをふり返ることができた,ということです。
今回の教材は,一般的に「内面変化」の教材と言われます。主人公が最初に道徳的によくない行動をする。ある出来事や事件があり,あるいは体験することで,主人公の気持ちが変化したと思われる行動が起きる,というものです。その変化を感じ取り,「もうしないぞ」って気持ちをもつことが大切なんだということに気づくことも重要だと思います。
「ヒキガエルとロバ」で「命の大切さ」について考える,3年生でした。
このお話の最後はこうです。
子どもたちは,くぼみの中で静かに息をしているヒキガエルと,遠く去って行くロバの姿を,いつまでも,いつまでもながめていました。
子どもたちは何を考えながらヒキガエルとロバを見ていたんでしょうかね。