4年生の道徳は「仲間だから」です。みんなにとって「仲間」ってどんな存在なんだろうね。
「いっしょに遊ぶ」「優しい」「信頼できる」「相談できる」「笑い合える」なるほど。
「たくや!これもたのむ!」「わたしのもお願いね」と給食後の牛乳パックの洗浄をたくやさんに頼むクラスメイト。その頼みにいつも「いいよ,まかせておいて」と平然とこたえるたくやさん。わたしはそんなたくやさんを見て,「なぜ,いつもそうなの?」とたずねるのでした。
するとたのんだ子が「いつもたくやさんは班全員の牛乳パックを洗って,かたづけてくれるんだよ。たくやさんは牛乳パックのかたづけが得意なんだよ」「とくいだよね,そうだよね」とことみさんまで追い打ちをかけるように言うのでした。
たくやさんのことが心配になったわたしは,家でお父さん,お母さんに今日の出来事を話しました。
「たくやさん,4年生になったころから,なんか,同じ生活班の子のいいなりっていうか・・・,心配なんだ~」
「昔からおとなしい子で人一倍やさしい子だったね。自分の牛乳パックを人にやらせるのもどうかなって思うな。昔からの仲良しなんだから,一度たくやくんの気持ちを聞いてあげたらどうかな?」
夕食の片付けをしながら,最近のたくやさんの生活班のメンバーの態度を思い出すのでした。
他の活動も,やりたくないこと,いやなことは,なんかすべてたくやさんにたのんでいるように思えたのです。
次の日の登校時,わたしは思い切ってたくやさんにたずねます。
わたし「班のみんなのこと,たくやさんが全部やっているけど・・・,無理してない?心配なんだけど」
たくや「ううん,いいんだよ。ぼくはあーしないと仲間にいれてもらえないなんだ。心配してくれてありがとう」
そういうと,急に走るだすたくやさんでした。
さー,今日のお話,何が問題だったんだろうね。たくやさんは「仲間」といっていたけど,この状況は本当に「仲間」と言えるのだろうか。みんなで考えてみよう。
お友達「わたしだったらいやだし,人のことまでやるの面倒だわ」
お友達「面倒だけど,もめることになるんならわたしやると思う。もめるほうが面倒だもん」
お友達「いやだけど,たくやさんはきっとそれが言えない人なんだよな~,う~ん」
お友達「これは本当の仲間とは言えないな~。なんかたくさやん『ぱしり』だもん」
なるほど,みんな自分だったら・・・と自分に置き換えて考えることができているね。ええぞ。
自分が「わたし」だったら,たくやさんに何がしてあげられるか?
本当の友達,仲間とは・・・今日は身近にある問題について考える4年生の道徳でした。
この話の最後はこうです。
「心配してくれたありがとう」といって急に走り出すたくやさん。わたしは走りだそうとするたくやさんの目に涙が浮かんでいたに気がついていました。