1年生の道徳は「はしの上の おおかみ」です。
山の中にいっぽんの「はし」があります。うさぎさんがはしをわたろうとすると,向こうからオオカミがやってきます。
「こらこら,もどれもどれ!おれがさきにわたるんだ!」といって,うさぎさんを追いかえしたのです。いばるオオカミはおもしろくなって,毎日はしでまっていて,たぬきさんやきつねさんがわたろうとすると同じように意地悪をするのでした。
しかし,ある日,オオカミがはしをわたろうとすると,大きなクマさんがわたってくるではありませんか。オオカミが「これは,これは,クマさん,わたしがもどります・・・。」と言います。するとクマさんは「いやいや,こうすればいいのさ」といってオオカミさんを抱きかかえ,うしろにそっとおろしてあげるのでした。クマさんの後ろ姿をずーとみるオオカミ。
つぎの日,はしでオオカミとうさぎさんが出会いました。うさぎさんはあわててもどろうとします。するとオオカミは「うさぎさん,こうすればえんだよ」といって,ウサギさんをだき,うしろにそっとおいてあげるのでした。オオカミは前よりずーっといい気持ちだったそうです。
オオカミさんは,なぜ「前より,ずっーといい気持ち」になったんでしょうね?
お友達「クマさんにやさしくしてもらったから」「しんせつにして,よろこんでもらえたから」「クマさんがおしえてくれた」「やさしくされてかいしんしたから」などなど,そうだね。では,実際にオオカミさん,うさぎさん,クマさんになりきって,この物語をやってみようじゃないか。
そうです。ロールプレーイングです。
ただ,お話しを聞いて,意見を言うだけでは,「オオカミさんが改心してくれてよかった,ちゃん,ちゃん」となっておしまいです。しかし,ロールプレーイング(役割演技)をやることによって,オオカミさんの気持ち,ウサギさんのきもち,クマさんの気持ちなどを実感することができることで,自分の行為や感じ方,考え方を再認識したり,様々な問題場面に出会った時に望ましい行為を選択したり,相手の立場に立って行動する態度を育てたりすることができるという効果があるんです。
かっこよくいうと,「道徳的行為に関する体験的な学習」って感じです。
「はしの上の オオカミ」で「あたたかいこころで」を学ぶ1年生,ええね。