3年生の道徳は「相手を思いやって 『わたしたちの わ』」です。
3年生になった「わたし」,4月から同じクラスになった「ひろみさん」。ひろみさんは車椅子で生活をしています。
ひろみさんは,自分でできることは自分でやろうとがんばります。しかし,高いところにある本をとったり,床に落ちたノートをひろうことは大変なので,すぐにそばにいって,手伝う「わたし」。でも,最近のひろみさんは「ありがとう」は言うけど,なんか暗い顔をするときがあるのです。親切にしているのにな~っと思うわたし。
ある日,床に落としたノートをひろうとしていたひろみさんを見かけます。わたしはすぐかけより,ノートをひろおうとします。そのとき,ひろみさんが結構強い口調で,「いいよ,自分でとるから」と。「え?でも・・・」と思うのでした。
さー,この場面をロールプレーイングでやってみよう。劇団「たきづか」のメンバーが登場です。
場面を想定します。床のノートをひろおうとしたとき,「自分でやるから,ええよ」とこたえます。
「自分でやるからええよ」と言われたとき,どう感じたかな?また,「自分でやるからええよ」って言った方はどう感じたかな?
この役割演技「ロールプレーイング」はとても大事な体験なんです。教材を読むけでは「ふ~,,それで?」としかならないことが多いんです。言うセリフも,場面もきっまっているんだけど,実際にのその場面を再現してみると,「え?なんでそんなこというの?」「だって,心配じゃん,車椅子からおちたらどうすんの?」などを実感するんです。また,言った方も「せっかく親切にしてくれたのに・・・」「わたしのこときらいになっちゃうかな?」などを感じることができるんです。
なぜ,ひろみさんは最近親切にすると暗い顔になったり,「自分でやるからええよ」といったんだろうね。みんなで話し合ってみよう。
強い口調で「自分でやるでええよ」という言葉におどろくわたしに,ひろみさんは「ありがとうね。けど,自分のことは自分でできるようになりたいの」と話します。その言葉に,「はっ」とするわたし。そして心の中で,「がんばれ,ひろみさん!」と応援します。
無事ノートをひろったひろみさんは笑顔を見せます。わたしはその笑顔をみてうれしくなったのでした。
相手のことを気持ちをよく考えて,手伝う,見守る,ささえることが大切なんだね。「見守る」「ささえる」というワードが,お友達からでてきてわたしはおどろきました。ええぞ,3年生!
「わたしたちのわ」で,「親切とは」を考える3年生でした。